メガネの功罪(12月4日)

最近メガネを買った。1メートル以内のものを見る分にはまったく問題ないのだが、遠距離が見えない。そこで、ふだんはメガネをかけないが、遠くのものを見る時だけかける。感動するのは、テレビがよく見えるだ。こんなに鮮やかな色だったのかと新たな発見がある。メガネのいいところは、見たいものだけをよく見ることができることだ。

初めての場所を歩く時にはメガネをかける。よく見たいから。でも、毎日の通勤路ではメガネをかけない。特に朝はいけない。頭は半分眠っているというのに、物はくっきり見えてしまう。メガネをかけないと、すべてはほどよくぼんやりとして、朝の気分にぴったり。そして、通勤用長距離バスに乗り込み、再び眠りにつく。30分〜1時間後に目覚めた時は、すっきりさわやかだ。

というわけで、「手を振ったのに無視をされた。」というご近所の苦情にもかかわらず、通勤時にはメガネをかけないわたしなのだった。


平和の配当(12月3日)

最近気がついたこと。セント・メアリ・ル・ボー教会の横の広場(というほど大きくはないが)にごみ箱が現れた。日本でも、サリン事件以来、駅からごみ箱が消えたということだが、ここロンドンでも同じ。特に、金融街シティーでは、ビショップスゲートのコマーシャルユニオンビル爆破事件以来、警察官の検問所が各所に設置され、検問を通らずにはシティーの中には入れないというくらい、警備が厳しい。北アイルランド問題は、今年、解決に向けて飛躍的な進展を見た。ごみ箱の再出現は、その恩恵だろうか?

数年前、わたしの友人が日本からたずねてきた叔母さんをつれて、セント・ポール寺院に出かけた。しばらく、観光した後、寺院を後にしたのだが、ふと叔母さんタイガーだか象印だかの金属製の保温水筒をセント・ポールに忘れたことに気がつき戻った。と、そこでは多くの観光客が寺院の中から出てくるところだった。なんと叔母さんの金属製水筒は怪しげな物とみなされ、爆弾警報が出ていたのだった。観光客は避難しているところだったのである。みなさん、水筒の置き忘れに注意しましょう。

やはり何年か前に、イングランドのサッカーの試合開始が1時間か2時間近く遅れたことがあった。これも爆弾警報のため。観客が競技場の外に避難をさせられた後、この怪しげな包みは、注意深い準備の上で爆破された。そこに残ったのは、ツナ・サンドイッチの残骸だった。


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