最高のバースデー・プレゼント(8月28日)

三重県四日市市で、江戸時代の代官所の堀跡から、ツゲの入れ歯が発掘されたそうです。約200年前のものだということですが、このニュースを聞いて、Beamish Open Air Museum という、イギリスの明治村のようなところに行った時のことを思い出しました。

このビーミッシュという村は、イングランド北東部、ダーラムとニューカッスルの間に位置します。この村にヴィクトリア時代(1837年〜1901年)を再現した野外博物館があります。広大な敷地内に、商店街、炭坑、坑夫たちの住む一角、農場、など異なった区画が点在し、それぞれの間はバスで結ばれています。(もちろん、歩いて回ることもできます。)この中の商店街の一角に、歯医者さんがありました。治療室には当時の器具が置かれ、歯科医の格好をした人がいて、観光客の質問に答えます。この中で興味深かったのは、当時の人々は、あまり歯がよくなかったということです。歯みがき粉がまだ発売されていなかったためとのこと。特に、上流階級の人々は、甘いお菓子などもふんだんに手に入ったため、歯の悪くなり方は一般庶民よりずっと早かったようです。30歳くらいになると、もう自分の歯はほとんどなかったとか。そこで、最も裕福な家庭では、21歳の誕生日(日本で言うと成人式のようなものですね。)を迎えた娘に、総入れ歯を贈りました。こうしておくと、その娘さんは後になっていいところにお嫁に行けたそうです。というのも、当時、入れ歯はたいへん高価なもの。 そこで、もし将来の夫が、結婚した後に、妻に買い与えないといけないとすると、たいへんな散財です。しかし、結婚する前に、すでに全部入れ歯になっていれば、このような出費を心配する必要がありません。つまり、総入れ歯は、最高の持参金だったわけです。

しかし、このような裕福な家庭のお嬢さんたち、若い盛りで、他にドレスなり何なりほしいものもたくさんあったでしょうに、本当に総入れ歯を作ってもらってうれしかったのでしょうかね?


デジカメでポン - 我が家で見つけた変なもの(8月21日) 変なもの

しだれない枝垂れ桜。

いつの日かきっと、長く伸びた枝の重みでしだれ始めてくれることを期待しているのですが・・・。

それにしても、ちょー間抜け。


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