強制チャリティーに御用心(12月10日)

先日、日本から来た友人と一緒に、オクソ・タワー・ブラッセリーに行った時のこと。彼女の持っていたガイドブックを見て行ったのだが、イギリスでも有名な今をときめくレストランである。(経営は、故ダイアナ妃御用達デパート、ハーヴィー・ニコルズ。)テムズ川の南岸に立つオクソ・タワー・ビル("OXO" というグレービーやスープの素で有名な食品会社の倉庫であった)の8階ということで眺望は抜群。ここで、わたしたちはランチのセットメニューを注文した。スターターとメインもしくはメインとデザートの組み合わせに、グラスワインとコーヒーがついて、20ポンドである。ところが、勘定書きには、サービス料12.5%とホームレスのチャリティー団体への寄付1ポンドが含まれて、計46ポンドが請求されているのだった。注文した水はとうとう最後まで出てこなかったし、(勘定書きにはこれもつけられていたが、もちろん、抗議して取り消してもらった。)コーヒーも出てきた時には冷たかった。こんなお粗末なサービスに12.5%も払うのも納得がいかなかったが、もっと腹が立ったのは、チャリティーへの寄付である。チャリティーっていうのは、自発的にやるからチャリティーなのではないか?強要されて金を払うのはチャリティーではない。

納得できないまま、50ポンドを払うと、4ポンドの釣りが来た。それでも、やっぱりおさまらない気持ちを夫に話すと、そんなものは、「わたしは払いたくない。」と言えばいいのだ、と言われた。サービス料や寄付を強制することはできないのだそうだ。そうだったのか!そう言えば、サービス料については "discretionary" と書いてあった。(チャリティーについても、テーブルの上に小さな紙が載っていた。友人との話に夢中になっていたわたしは、気にもとめなかったが。)でも、勘定書きの合計に含めておくなんて汚いぞ。まんまと罠にひっかかってしまったではないか。

そういうわけで、みなさん、強制チャリティーには注意しましょう。今思うに、「わたしはサービス料も寄付金も払いたくない。」と言って、料理の代金だけ払い、釣りをしっかりもらって、そこから、妥当だと思われる額のチップを置けばよかったのだろう。この次は、(もうこの店には行かないだろうが)絶対に強制チャリティーには抵抗するぞ。

きっと、レストラン自体の評価を期待されている方もいらっしゃるでしょうから、最後に、グルメのりこ(一緒に食事をした友人です)のレストラン評を。(以下5点満点 ★★★★★)

味:★★★
雰囲気:★★★★ (景色代といったところ。)
サービス:★★
値段:あの味であの値段では、お値頃とは言えない。


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