● 一言イギリス英語講座 - "Sod's Law"
"sod" は、いけ好かないやつとかばか野郎とかいった意味です。(あまり上
品な言葉ではないので、この言葉を単独で使うのは、女性は避けたほうがよい
でしょう。) "law" はここでは法則を意味します。アメリカでは、
"Murphy's Law" という言葉が全く同じ意味で使われていますが、イギリスで
は "Sod's Law" のほうがずっと日常会話で頻繁に使われています。日本語に
は、もともとこれに該当する言葉はないように思いますが、アメリカの習慣に
則って、「マーフィーの法則」という言葉が使われているようです。(三笠書
房からは、マーフィーの法則研究会によるマーフィーの法則に関する文庫本が
出ています。)この「マーフィーの法則」は下の語源の欄で述べるように、
「潜在意識を活用して、自己実現を果たそう」というジョセフ・マーフィーの
黄金律(ゴールデンルール)とは関係がありません。
意味のほうですが、もともとは、"if anything can go wrong, it will"、
つまりうまくいかない可能性のあることは必ずうまくいかない、ということで
す。ここから発展して、現在ではことがうまく運ばない時、運の悪いタイミン
グで運の悪いことが起こる時などに、人生に対するあきらめの念を込めて使わ
れます。例えば、いつか使うこともあるだろうと思って10年間とっておいた
が、全く使わないので捨てると、その翌日にそれが必要になる、などです。上
記のマーフィーの法則研究会では、「電車に乗った途端に忘れ物を思い出す。」
「目的地についた瞬間にタクシーのメータは上がる。」などといった例をあげ
ています。(この例をもっと知りたい方は、嘉門達夫の「マーフィーの法則」
という歌を聴いて下さい。)
"Murphy's Law" の語源には二つの説があります。(残念ながら、"Sod's Law"
のほうはわかりません。)一つは、アメリカ海軍が発行していた教育マンガシ
リーズに登場する、いつもヘマばかりしている人物の名前をとったという説で
す。もう一つは、カリフォルニアの航空関係の会社に勤めるジョージ・ニコル
ス (George Nichols) によって1949年に作られた、とするものです。ニコ
ルズの同僚のエドワード・A・マーフィー (Captain Edward A Murphy) の発
言、「間違った方法があれば、必ずそれをする人間が現れる。」というのが、
「マーフィーの法則」という言葉のもとになったと言います。ある説によると、
油圧系統のバルブの取り付け方についてなされたこの発言は、もともとは建設
的な意味であったということです。もし複数の取り付け方があると遅かれ早か
れ必ず間違った取り付け方をする人が出てくる。だからどんな人でも間違いを
おかす可能性がないように、正しい取り付け方しかできないように設計すべき
だ、というのが彼の真意だったというわけです。もしこれが本当だとすると、
結局悲観的な意味に受け取られ、現在では悲観的な意味で頻繁に使われている
ということは、やはり人生には運の悪いことのほうが多い、ということでしょ
うか?
と、ここまで保存しないで一気に書いたら、どういうわけかエラーメッセー
ジが出て強制終了になってしまいました。(だからこれは一から書き直した文
章です。)長文を保存をしないで一気に書ききると強制終了になって消える。
これが、"Sod's Law" というものですね。