The Archers(Radio 4、日〜金 午後7時2分〜7時10分、(再放送:午後2時2分〜2時10分)、及びオムニバス日曜午前10時〜11時15分)

ラジオ界の長寿ソープ・オペラ

ちょっと本コーナーのタイトルからはずれますが、これはラジオ番組。アーチャー家の人々を中心に、ボーチェスターシャーの農村、アンブリッジ (Ambridge) で起こるさまざまな事件を描きます。番組がスタートしたのは、1951年。堂々48年の歴史を誇る長寿番組です。

根強いファンを持つこの番組には、その人気を示すエピソードが絶えません。数年前の話になりますが、アンブリッジ村の住民の一人、スーザンが逃走中の弟をかくまったことからクリスマスを前に刑務所へ。すると、「幼い子供のいる母親をクリスマスに刑務所に入れるとは、なんたる非情な措置!判決を覆せ。」と内務大臣に全国から陳情書が集まりました。現実とアーチャーズの世界との判別がつかないマニアックなファンが多いのですね。

そんなマニアックなファンのための公式アーチャーズ・ファン・クラブのホームページがこちら。このファンクラブは実際に登場人物の声を担当する声優たちによって運営されています。アーチャーズ・グッズの通信販売や、各地での関連イベントの案内などファンには見逃せない情報がいっぱい。

ARCHERS ADDICTS (http://www.archers-addicts.com/)

ちなみに、このHPの壁紙にある "Dum di dum di dum di dum..." は、たいへん有名なアーチャーズのテーマ音楽です。(ちょっと文字ではわかりにくいですが。)48年のアーチャーズの歴史の中で、ただ一回だけ、エンディングにこのテーマ音楽がかからなかったことがあります。それは去年、ジョン・アーチャーが溝の中で転落したトラクターの下敷きになっているのを父親のトニー・アーチャーが発見するという悲しい場面で終わった回でした。この時は、さすがにわたしも親しい友人を失ったような気持ちになりました。全国のアーチャーズファンの悲しみは想像にかたくありません。

また、この番組はイギリスの田舎の生活を知る上でも、とても参考になります。一年の伝統行事やその時に話題になっている事件もエピソードに盛り込まれています。また、きつね狩りなどの社会的な問題に対しても、農村・田舎の立場からの見方が描かれています。番組にはきちんと農業関連の監修者がついていて、政府の農業指導的なメッセージを伝えるための手段としても利用されているということです。( Radio 4は BBC の運営するラジオ局の一つ。)賢い農民はこうする、というようなことがストーリーに織り込まれているわけです。今回も、乳牛の肺炎の流行が巷で話題になる前に、いち早くこの番組では取り上げられ、早期発見・早期措置の重要さが強調されました。


*放映時間は変更になることがしばしばありますので、その日にチェックして下さい。

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