● 一言イギリス英語講座 - "gazumping"
「住」特集にちなんで、ここでも不動産関係の言葉をご紹介します。売り手市場
の続く現在の住宅ブームで、再びよく聞かれるようになったのが、この言葉。すで
に別の人に売る合意の成立している家に対し、最初の買い手よりも高い値段を提示
することによって、それを手に入れることを言います。最初の買い手にしてみれば、
ただ単に夢が破れるというだけでなく、最初の合意以降、測量・不動産鑑定代など
をすでに負担した後ですから、経済的な打撃も小さくありません。このガザンピン
グは、現在のイングランド・ウェールズの法律では違法にはなりません。現在、こ
れを違法とするよう法を改正するか、あるいは測量・鑑定代を売り手に負担させる
などの対策が望まれています。
この意味では、この言葉は1970年代から使われるようになりました。それ以
前は、(1920年代より)「他人をだまして手に入れる」と言う意味で使われて
いたようです。この意味での語源は、イディッシュ語の "gezumph" であると言わ
れています。
もう一つ、不動産関係の言葉で、今は昔となったものを。"negative equity"
です。80年代末の住宅バブルが90年代前半にはじけた後、残ったのがこれ。住
宅ローンの額より家の価値のほうが低い状態を言います。売るに売れないつらい状
態です。80年代の住宅ブームは、まさしく日本のバブルと同じように、誰もが右
肩上がりの相場を信じて疑いませんでした。家は買えば、必ずそれ以上の値段で将
来売れるものと思い込んでいたのです。ところが、その神話はもろくも崩れました。
さて、今回の住宅ブームの行く末は・・・?