お茶目な老人三人組の冒険物語

はっきり言って、わたしはこの番組のユーモアのセンスがわからないのでおすすめはしませんが、２０年間の歴史を誇るＢＢＣの看板番組をご紹介しないわけにはいきません。物語は、毎回老人トリオを中心に、美しいヨークシャデイルの村を舞台に展開します。２０年前に番組が始まった時も、やっぱりこの人たちは老人だったのでしょうね。この三人組のうち、ピーター・サリスは「ウォレスとグルミット」のウォレスの声でも有名です。監督のニック・パークが彼の声にほれこんで、ウォレスの声はぜひこの人に、と指名したそうです。お茶目な三人組の冒険物語ですが、この番組、何かに似ていないでしょうか・・・？そうです、子供の頃、わくわくしながら読んだあの懐かしいイギリスの少年少女小説です。こんなところにも、イギリスの児童文学の伝統は生きているのですね。老人というちょっと異なった登場人物を使って・・。最近のテレビ評を読むと、もうそろそろこの番組も潮時かなあという感じです。それでも、日曜日の８時という時間帯を今シリーズが勝ち取ったということは、まだまだ根強い人気があるということでしょうか。

７月１２日、トリオの一人、コンポ役のビル・オーウェンががんのため亡くなりました。享年８５歳でした。ロンドン生まれのオーウェンでしたが、本人の生前の希望により、番組が撮影されたヨークシャの村に葬られることになったそうです。ご冥福をお祈りします。

ビル・オーウェンの実の息子であるトム・オーウェンが、コンポの行方知れずになっていた息子として、番組に登場するそうです。トム・オーウェン自身は、テレビではほとんど無名でしたが、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーにも所属したことのある演技派の俳優だそうです。ビル・オーウェンの訃報に、これで最後かと思わせた、"Last of the Summer Wine" ですが、なかなかしぶといですね。