前回、「Man o Man」について書いてくれた、YOKOさんが、今回は、今話題の二つの番組をまとめてご紹介してくれます。


Michael Owen's Soccer Skills(BBC2、金曜日 午後6時45分〜午後7時15分*)再放送(BBC2、日曜日 午前11時30分〜12時)

マイケル・オーウェンのサッカー教室

 いい男コンテストの「Man o Man」が終わってしまい、沈みかけた私の心にあるサッカー選手が再び灯を点してくれた。そう、彼の名はマイケル・オーウェン。イングランドサッカー界、期待の星だ。1998年のワールドカップで披露したあの華麗なるプレーとその爽やかなスマイルは、記憶に新しいところでは? それでもまだ、<誰、その人?>と言う人のために無理矢理日本人にこじつけてみると、うーん、西武の松坂投手か、はたまた巨人の高橋選手あたりを思い浮かべてもらうとその感じがつかめるかも。サッカーと野球、分野は違うけれど、若手のとにかくこれからがますます楽しみな選手ということで……。

 そんな成長著しいオーウェンが、サッカー教室の番組を受け持ったのだからたまらない。30分と限られた時間ながら、サッカー好きの少年少女たちにその素晴らしいサッカースキルを惜しみもなく与えていく。こんな一流の選手じきじきにサッカーを指導してもらえるなんて、イギリスの子供たちは本当に恵まれているよなぁ。イギリスのサッカーが日本のそれより充実しているのも実はこの国のそんな懐の深さに関係があったりして? もしかすると、その子供たちのなかから明日のサッカー選手が生まれるかもしれない。日本の場合、プロの選手がこのように少年少女たちに手取り足取り教えてくれる番組(それもシリーズもの)なんて、あまり聞いたことがない。プロ選手たるものそんなことしている暇はありませーんと言うところだろうか? いやぁ、じつに淋しいかぎりだ。ペルージャの中田が、ときどきイタリアから飛んできて、子供たちにサッカーを……。なーんてこと、どう考えてもあるわけないよなぁ……。

 6回シリーズで始まったこの新番組。サッカーファンの子供たちのきらきらした視線と、あるミーハーな日本人のギラギラした視線を一つに集め、「Michael Owen's Soccer Skills」は毎週金曜日、BBC2にて絶賛?放送中。

このシリーズも10月15日で終わってしまいました。クリスマスに向けて、BBCではビデオ化なんて考えていないかなあ、とか思っているのですが。(み) 調べてみたら、しっかりビデオ化されているそうです。テレビ未公開のクリップ入りとのこと。(み)


Who Wants to Be a Millionaire?(ITV、2週間の放映期間中毎日、時間はまちまち)

緊張のクイズ番組

 いい男コンテストの「Man o Man」が終わってしまい、沈みかけた私にの心にある司会者が一輪のバラを投げかけてくれた。そう、その司会者と言うは、かつてあの「Man o Man」の進行役を勤めていたクリス・タラント、その人だ。彼が今回、受け持つのは「Who Wants to Be a Millionaire?」と言う四択のクイズ番組。スタジオセットのど真ん中、チャレンジャーと出題者のクリスが向かい合い、15問連続正解、最高賞金1,000,000ポンドを目指して、繰り広げて行くゲームショーだ。スタジオ内は他のクイズショーとは違って、なかなか緊迫したムードが漂っている。チャレンジャーには、友人に電話して答えを教えてもらえる権利と、四択から二択にさらに絞り込める権利、さらには会場で見守っている視聴者のみなさんにこれだと思う答えを投票してもらい、それを参考に出来る権利、この3つが与えられている。それらの権利を駆使して難題に立ち向かって行くのだ。

 このクイズ番組のよいところは、なんと言っても始めから終わりまで、その出題問題と解答の四択が画面の下、字幕となって出るところ。これはネイティブの耳を持っていない私としては、本当にありがたい。あと、一度のチャンスにつき一人のチャレンジャーなので、いろいろなイギリス人をじっくり見ることが出来て、これはこれでなかなか楽しい。思わず<がんばれ!>って、声をかけてしまう人もいれば、<なんなのだろう、この人?>って思う人もいて。当たり前だけどイギリス人もいろいろなのですね。

 さらにこの番組がすごいのは、その賞金金額ばかりでなく、逃げるが勝ちとばかり途中放棄が出来るところだ。次の問題を聞くだけ聞いて、わからないと、チヤレンジャーのみなさん実にあっさりと棄権していく。まぁ、下手にいちかばちかの賭けに出て失敗し、今までの賞金を階段から転げ落ちるように目減りさせてしまうより、現状に満足し、今まで勝ち取ってきた賞金をありがたく頂いて、家路についたほうがいいってわけだ。しかし、これがのせられ上手な日本人ならと考えた場合、いちかばちかの賭けに出てしまう人が多いんじゃないかなぁ……。司会者のクリスに「本当にそれでいいの? 挑戦すれば賞金が倍になるんだよ、ほれほれ……」なんてほだされたなら、思わず「やります!」なんて言ってしまう人、結構いるように思えるのだけれど。どうでしょう?

 この間、TVガイドを何の気なしにめくっていたら、なんとこの番組も近々終わってしまうらしい。さて、関口 宏風の司会者、クリス・タラントとは今度はどんな番組で出会えるだろう。私としたらそれは、やはり「Man o Man」で。うん、そうだといいなぁ。

今回で第3回目になるこのシリーズ、その度に人気番組としての評判を固めていきます。視聴率もうなぎのぼり。社会現象とまでなりつつあります。その成功の秘訣は、2週間の放映期間中は毎日放映というスケジュールと一般常識にしぼった絶妙な出題でしょう。知っている人にはものすごく簡単、知らない人には全然想像もつかない、というところが、「もしかしたら、わたしも百万長者になれるかも。」という気を視聴者におこさせるのでしょうね。ちなみに、出場者はこうして電話をかけてきた視聴者の中から選ばれます。(そして、この高く設定された、応募申込電話回線の利用料金から賞金が拠出されています。)今シリーズ前には、ソフィー・リース・ジョーンズ嬢(現ウェセックス伯爵夫人)の若気の至り・ホリデースナップ写真事件で、クリス・タラントの番組の去就が話題となりました。結局、クリス・タラントは残り、「サン」紙がスポンサーを降りたわけですね。さすがに、司会者の力は偉大です。今シリーズは9月14日終了。(み)

9月にスペインに行ったら、なんとこの番組のスペイン版を放送していました。最高賞金金額をチェックしそこなってしまいましたが、100万ペセタだったら、ちょっとせこいかも。(イギリス版の250分の1ということになります。)音楽から出題用の字幕まで、すべてイギリス版そっくり。司会者も、ひっきりなしに顔に手を当てるしぐさといい、クリス・タラントそのもの。(きっとビデオを見て研究したのでしょうね。)この番組はもともとはキャピタルFMのラジオ番組を元にしたものと言われますが、制作者は版権を世界各国に売ってさぞかし儲けたことでしょうね。(み)


*放映時間は変更になることがしばしばありますので、その日にチェックして下さい。

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